名古屋大学大学院医学系研究科 総合保健学専攻 オミックス医療科学 生体防御情報科学講座 佐藤研究室のホームページです。

研究テーマ

肺癌の腫瘍生物学的知見の臨床応用

研究代表者挨拶

当研究室のホームページにアクセス頂き感謝申し上げます。私は2018年4月に名古屋大学大学院医学系研究科・呼吸器内科学講座から、同研究科・医療技術学専攻・病態解析学講座（現：総合保健学専攻・オミックス医療科学・生体防御情報科学講座）に着任し、現在の研究室を立ち上げました。

 

私は呼吸器内科医であり、研究の専門分野は肺癌、特に、腫瘍生物学的な解析から得られる知見の臨床応用を目指しています。肺癌は本邦における癌死の第一位の原因であり、難治癌の一つです。本研究室はその治療成績の改善につながる治療開発を目的とします。実験アプローチとしては、アメリカ留学中に肺癌の研究モデルとして開発した不死化正常気管支上皮細胞（HBEC）1, 2,3を用いた実験を中心としています。

 

現在の研究室のメンバーは大学院生４名、学部生４名です。尚、大学院生４名中２名は名古屋大学卓越大学院プログラムCIBoGの履修生です。同プログラムは、文部科学省補助金事業として実施されており、博士課程前期・後期に渡る一貫したカリキュラムに基づくデータサイエンスに精通したグローバルに活躍できる研究者の育成を目的とします。

 

研究成果を英文論文として世界に発信することは研究者の責務ですが、当研究室は学部生が実施する卒業研究も同様ととらえ、英文論文としてまとめることを常に念頭においています。実際に2019年度、2021年度の卒業研究の成果を英文論文として発表しています4, 5。2021年度卒業研究については学部生が筆頭著者となりました5。

 

以上、当研究室は社会に貢献する卓越した研究成果を挙げるとともに、研究者としてアカデミアや企業などで活躍できる人材の育成を目標としていきます。最後となりますが、本研究室の立ち上げにあたりましては、公的な研究助成金や企業からの奨学寄付等など多くのご支援を頂きました。そのお陰により基本的な実験機器を購入し、設備面においても研究体制を整えることができました。ご支援頂きました皆様に深くお礼申し上げます。

生体防御情報科学講座　教授　佐藤光夫

参考文献

1. Multiple oncogenic changes (K-RAS(V12), p53 knockdown, mutant EGFRs, p16 bypass, telomerase) are not sufficient to confer a full malignant phenotype on human bronchial epithelial cells. Sato M, Vaughan MB, Girard L, Peyton M, Lee W, Shames DS, Ramirez RD, Sunaga N, Gazdar AF, Shay JW, Minna JD. Cancer Res. 2006;66:2116-28. doi: 10.1158/0008-5472.CAN-05-2521.

2. Human lung epithelial cells progressed to malignancy through specific oncogenic manipulations. Sato M, Larsen JE, Lee W, Sun H, Shames DS, Dalvi MP, Ramirez RD, Tang H, DiMaio JM, Gao B, Xie Y, Wistuba II, Gazdar AF, Shay JW, Minna JD. Mol Cancer Res. 2013 ;11:638-50. doi: 10.1158/1541-7786.MCR-12-0634-T. E.

3. Immortalized normal human lung epithelial cell models for studying lung cancer biology. Sato M, Shay JW, Minna JD. Respir Investig. 2020 ;58:344-354. doi: 10.1016/j.resinv.2020.04.005.

4. UHRF1, a Regulator of Methylation, as a Diagnostic and Prognostic Marker for Lung Cancer. Goto D, Komeda K, Uwatoko N, Nakashima M, Koike M, Kawai K, Kodama Y, Miyazawa A, Tanaka I, Hase T, Morise M, Hasegawa Y, Kawabe T, Sato M. Cancer Invest. 2020 ;38:240-249. doi: 10.1080/07357907.2020.1747483.

5. Resistance to mutant KRASV12-induced senescence in an hTERT/Cdk4-immortalized normal human bronchial epithelial cell line. Muraki N, Yamada M, Doki H, Nakai R, Komeda K, Goto D, Kawabe N, Matsuoka K, Matsushima M, Kawabe T, Tanaka I, Morise M, Shay JW, Minna JD, Sato M. Exp Cell Res. 2022 ;414:113053. doi: 10.1016/j.yexcr.